米国人に人気のサーモンであるが、海洋保護団体オセアナが28日に発表した調査報告によると、全米の飲食店や食料品店で天然として販売されているサーモンの多くが養殖であり、表示が偽装されていることが分かった。
同団体がサーモンのオフシーズンにあたる2013〜14年の冬、全米のレストランやスーパーマーケットで売られていた82のサーモンのDNA検査を行った結果、43%が養殖を天然と表示していた。それら偽装されたものの69%は、アトランティックサーモンに関する偽装だったという。
バージニア州で集められたサンプルの48%、ワシントンD.C.の45%、シカゴ市の38%、ニューヨーク市の37%で、天然を装った偽装表示が見つかっている。偽装表示は特に、サーモンの禁漁期である冬に多く行われるようで、サーモン漁のシーズンに集められたサンプルを対象に調査を行った13年度の報告書では、偽装表示は7%しか見つかっていなかった。
同団体シニアキャンペーンディレクターのべス・ローウェル氏は、「このような不正行為は、深刻な生態学的および経済的影響を招く。消費者が騙されるというだけでなく、米国の漁師が苦労して釣り上げた本物の天然サーモンの価格を下げることになる」と批判した。