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2007年08月04日
今井 雅之氏 (俳優)
2日連続本紙独占インタビュー(後半)
米国メディアにカミカゼアタックと表現された「9・11同時多発テロ事件」。特攻隊員の必死な想い、彼らの人生をテロリストと一緒にされたくない。そう思った今井雅之氏(以下敬称略)は、この事件をきっかけに、封印することを決めていた舞台作品「The Winds of God」の映画製作を開始した。世界に向けて発信するために、脚本は全編英語。4年の歳月をかけて完成された同映画は06年に日本で公開され、07年4月、待望のハリウッドで公開を迎える。
《昨日号からの続き》
初日の4月8日。ロサンゼルスのエジプシャン・シアターの前には入場を待つ観客が1ブロックにおよぶ長蛇の列を作る。2週間の上映だった。今井は舞台挨拶の際に、大勢の観客を前にして堂々と英語で「The largest attack made by human being is Hiroshima, Nagasaki」と伝えた。観客はどのような反応をみせたのか。
「『That's right. You're right』って。カミカゼに対しては、逆にリスペクトしてるのが多かった。ただ、太平洋戦争はアメリカが間違ってるっていうとやっぱり彼らも文句言うけど」。一俳優として、一個人として自身の意見をぶつける。
「僕はコミュニケーションをしてるって思ってますけどね。意見を持って正面向かって、これから未来を作っていくっていう」
ある日系人からは、「ロスに何十年と住んでるけど、やっぱり日本人は言われっぱなしで、領事館も大使館も政治家もみんな黙っちゃうんです。初めて私こっちに来て日本人が自ら意見を言ったのを聞いて、心から気持ち良かった。本当に嬉しい」という声もあがった。
一方で、自身のライフワークがハリウッド上映されるという、映画人としての至福も味わう。
「とても大きな夢だったんでね。13歳の時に『パピオン』っていう映画を観て、舞台映画に出たいって。作るとは思わなかったけど。ハリウッドマニアっていうか、映画狂いになっちゃって。いつも柔道とかやってたんですけど、それ以外は全部エネルギーを映画に注ぎ込んで。土曜日と日曜日は必ず映画館に行って」
夢に描いていた映画の都、ハリウッドのど真ん中。
「すごく不思議な、ね…。叶うんだなっていうか。中学校の時に『俺が作った映画がハリウッドで2週間上映できるよ。俺主演で、俺監督で』って(言っても)誰も信じなかったと思う。そういう意味では、すっごい嬉しかったです」
今年12月には、ついにニューヨークで公開。
「英語ではありますけど、字幕スーパーで日本語が出ますので。100%日本人が作ったアメリカ向けの映画をぜひ観に来てもらいたいです。日本人としても、一歴史の部分を特に若い人たちに語ってもらえたらなって。こちらで萎縮してる方々、日本人であって良かったと思えると思います」
戦争を知らない世代が増えていく中で、伝えなくてはならないもの。今井の熱く語る姿から、同作に対する、そして神風特攻隊に対する真摯な想いと情熱が伝わってきた。
(聞き手/高橋克明、文/三原悠)
【公式サイト】www.winds-movie.com

