米国内のスーパーマーケットなどで販売されているオレンジジュースに微量ながら防かび剤が発見されたことを受け、米食品医薬品局(FDA)はこのほど、ジュースの製造業者などを対象に検査を実施する意向を表明した。FDAは消費者に対し、安全性に懸念はないとした上でリコールを呼び掛けていないが、一定値以上が検出された場合、販売の差し止めに踏み切る可能性もあるとしている。
FDAでは、世界一のオレンジジュース生産国であるブラジルから輸入された商品に、カルベンダジムという微量の殺菌剤を検出した。ブラジルを含め世界各国では柑橘類の防かび剤としてカルベンダジムの使用が認められているが、米国では認可されていないため、違法残留と判断された形だ。
FDAでは防かび剤が検出されたオレンジジュースの輸入差し止めを決定、これを受け、ニューヨーク市内のスーパーマーケットでも今後、市場に出回るオレンジジュースの数が減るとして、値上げ措置が取られる可能性が高まっている。