米疾病管理予防センター(CDC)は11日、過去45年間で初めて国内における死亡原因の上位15項目から「殺人による死亡」が退いたことを発表した。2010年の統計によると、殺人件数が減少し、高齢者の病死が増加しているとのこと。
特に大都市での殺人件数は劇的に減少しており、10年までの10年間でニューヨーク市では76%減だったほか、ロサンゼルス市で70%減、シカゴ市で49%減だった。
殺人件数の減少要因としては、大都市部の警察機関による取り締まりおよび犠牲者の支援体制が向上したこと、またベビーブーム世代の高齢化により、殺人を犯しやすい傾向にある若年層が減少した一方、高齢者特有の病気による死亡率が増加したためと分析される。
死亡原因として増加傾向にあるのはアルツハイマー病、肝臓病、食べ物を飲み込む機能が低下して起こる肺炎など。
死亡率の低下は殺人以外の項目でも報告されており、幼児死亡件数は1000件の出生に対し6・14件と過去最低の数値を記録。これにより、10年に生まれた子どもの平均寿命は09年と比較して1カ月長い78歳8カ月と推定される。
心臓病とがんは依然として全体死亡原因の47%と約半数を占めるが、医療の発展に伴い、これらの病因による死亡者数は継続的に減少しているとのこと。