ニューヨーク市都市計画局はこのほど、新たな商業区域計画として、マンハッタン区アッパーウエストの銀行および大型チェーン店の進出を制限し、小規模な小売店を保護する提案を公表した。増え続ける大型ドラッグストアや銀行により街の雰囲気が変貌するのを阻止し、家族経営の小売店など地域に独特の個性をもたらす店舗を保護する目的。
対象となるのは、アムステルダム街、コロンバス街、ブロードウェイの3つの主要通り。72丁目から110丁目の範囲での実施が想定されている。
同提案では、新規にオープンする店舗に対し、通りに面する一階の店舗サイズを幅40フィート、銀行の場合は幅25フィートに制限。ブロードウェイについては銀行のみを制限対象とするとのこと。同地域のゲイル・ブリュワー市議は「地域の個性は一度失われると永遠に復興できず、連鎖的に小規模な小売店を追いやってしまう」と語り、同提案内容を強く支持した。
一方、同市の不動産協会をはじめとする反対派は「大型チェーン店は需要があるから急増している」と指摘し、同提案に抗議を訴えている。
都市計画局では、同提案は1階店舗のみを対象としており、地下および上層階の店舗サイズは制限しないとのこと。