米中枢同時テロ以降、がんと診断されたニューヨーク市警察庁(NYPD)の警察官の総数が、事件前と比較して約3倍に増加していることがわかった。6日付の米誌ニューヨーク・ポストが伝えた。
巡査慈善協会(PBA)の統計によると、テロ発生後、溶解した世界貿易センター(WTC)で救出作業などを行った警察官約1万2000人のうち、297人ががんであるとの診断を受けており、診断された時点の平均年齢は44歳と若い。また、テロ発生後にがんで死亡した警察官は56人だったほか、がんに関連する障害の申請数は年間平均16件と、テロ以前の年間6件と比較して明らかに増加しているとのこと。
マウントサイナイ医科大学では、テロ後の救出作業を行った職員とがんとの関連性を調査しているが、NYPDからは詳細なデータが提供されていないという。
がんとの関連性を示すデータの公開について、市議会と組合側では論争が高まっており、PBA代表のパトリック・リンチ氏は「NYPDは把握しているデータを連邦政府に公開するべき」と指摘している。
一方、同市のマイケル・ブルームバーグ市長側でも、市衛生局により本件について独自の調査が進められており、3月には調査を完了する予定とのこと。