ニューヨーク市における多数の公立校が、卒業基準に満たない生徒を卒業させていたことが分かった。同市教育局が23日、2010年度の監査結果をもとに発表した。
監査は卒業率の向上が不審と見られる60校を主な対象として行われた。これらの学校では2010年に9600人の生徒が卒業しており、監査対象となったの は924人の卒業記録。うち31%にあたる300人の記録に不正が見つかった。不正とされた生徒の卒業記録では、卒業に必要な単位数の不足、体育授業およ び科学実験授業の出席数不足が発見されたとのこと。
また、卒業せず離校したとされる生徒のうち、17%にあたる405人の記録が落第ではなく転校による離校であることを証明する書類が不十分であったという。
この結果を受け、教育長官のデニス・ウォルコット氏は「おそらく全国で最も厳しい結果」であると遺憾の意を表した。
同市教育局は、リージェンツ試験の採点を各学校で実施しないほか、単位を落とした生徒に対して適用される単位回復プログラム(Credit Recovery)の規定厳格化など、次年度からの方針変更を決定している。
当局では、各校の卒業率を再調査するが、既に卒業した生徒に対する卒業資格の取り消しは行わないとのこと。