ニューヨーク市警察庁(NYPD)のレイ・ケリー長官は6日、同市のイスラム居住区代表者6人と会談し、今後の反テロリズム対策の指針を話し合った。昨年より議論の中心となっている、NYPDによるイスラム系居住区の過剰な警戒態勢に対して、両者の認識を再確認する目的。
イスラム系移民を支援する団体Council of Peoples Organization代表のモハメド・ラズビ氏は「イスラム系移民の間ではNYPDの急進的な姿勢に懸念が高まっていたが、今会合でケリー長官の意図する指針が明確に把握できた」とし、共に反テロリズムに対抗する意志を示した。
一方、ケリー長官が同日の会合の出席者として反対派を招かず、都合の良いメンバーのみを招集したとの見方もあり、一部のイスラム系団体は批判的な見解を持っているようだ。
また、ニューヨーク大学(NYU)などイスラム系の学生を多数抱える市内の大学でもNYPDの覆面調査が行われている事実を受け、学生団体も過度な警戒活動の停止を求める抗議運動を繰り返している。
これに対し同市のマイケル・ブルームバーグ市長は「同市の活動により10年間で14件のテロ事件を未遂で阻止している」とし、NYPDの活動の正当性を主張した。
イスラム系移民の代表者らは警察本部前で5日、国土安全保障委員会のピーター・キング議長とともに集結し、NYPDの活動を支援する姿勢を示した。