ニュージャージー州の下院労働委員会は12日、 ウエイトレスやバーテンダーなど対応客からのチップを主な収入源としている労働者に対し、最低賃金を設定する法案を承認した。同法案は、飲食店などが従業 員に対し最低賃金を保証する義務を負うもので、ことし6月には現在の一般最低賃金の40%にあたる時間給2・90ドルへ、来年6月には69%にあたる5ド ルへの引き上げが提案されている。
同州では現在、一般最低賃金を時間給7・25 ドルから8・50ドルに引き上げる法案が検討されているが、チップを収入源とする労働者に対しては同法案が適用外となっており、飲食店の従業員に対する最 低賃金が規定されていない。このため、雇用主は連邦最低賃金である時間給2・13ドルを保証することが義務付けられているが、同賃金の設定は1991年以 降改変されておらず、検討が求められていた。
専門家はこのほど提案された法案の導入が、飲食業界従業員の生活安定を図ると期待を寄せている。
一方、レストランなどの雇用主側からは「小規模な飲食店にとっては厳しい法案」、また「経験やスキルが異なる従業員に一律の最低賃金を設定するのは不合理」など反対の声が聞かれる。