ニューヨーク州は13日、逮捕被疑者より摂取するDNAのデータベースについて、罪種、年齢を問わず全犯罪を対象に拡大するための最終検討を行った。
同州では既に、重犯罪者のDNAデータベースを構築しているが、軽犯罪で有罪が確定した場合も含めすべての犯罪歴保有者を対象にデータベースを拡大することで、より深刻な犯罪を防止するほか、誤認逮捕を減らすことが目的。多くの地方検事、警察署長が同データベースの拡大を支持している。
同州のアンドリュー・クオモ知事は、同拡充案を今期の最優先検討事項に指定しており、実現すれば全犯罪を対象としたデータベースの構築を行うのは、全国で同州が初となる。
現在、検察官に加え被告側弁護士もデータベースを利用できるようにするとの内容も検討されている。
同州のDNAデータベースは1990年代に初めて構築されて以来、3度にわたり対象犯罪者の拡大を実施。現在は重犯罪を中心に全犯罪の約半数の犯罪者を対象にDNAサンプルを採取している。
市民犯罪委員会(Citizens Crime Commission)代表のリチャード・アボーン氏は「データベースの拡大を実施するたびに、(同データベースが)犯罪者の有罪確定、誤認逮捕の低減に効果的であることが実証できている」として、拡大の有効性を強調した。