マンハッタン区ユニオンスクエアで21日、先月フロリダ州で起きた黒人青年の射殺事件を受け、射殺された青年の正義を主張するデモ「ミリオン・フーディー・マーチ」が施行された。
今回のデモは、武器を所有していないにも関わらず、不審人物と見なされ射殺されたトライヴォン・マーティン君(当時17歳)の正義を訴え、マーティン青年 を射殺した警官ジョージ・ジマーマン氏の逮捕を主張するため、反格差社会デモの支持者らが集合した。事件当日、青年がフード付きのパーカー(通称フー ディー)を身に着けていたことから、同デモが名づけられた。
デモの会場には、フーディーを着用した黒人やヒスパニック系の男女が多数集り、中には「ちょっとダブっとしたフーディーを着用したカラー(有色人種)であ るだけで、警察には犯罪者と疑われる。ぼくはIT技術者を目指す普通の大学生だ」などと書かれたプラカードを掲げ、人種差別の撤廃を訴える若い集団なども 見受けられた。
デモを主導したマーティン青年の両親は、「これは人種の問題ではなく、善悪の問題。息子の正義のために闘う」と述べ、デモ参加者らと共にジマーマン氏の逮捕を訴えた。
ユニオンスクエアでは、デモ参加者らが警察により設置されたバリケードを破壊するなどして、4人が拘留、6人が逮捕されるなど、デモ前夜から緊迫した状態 が続いた。また、デモ参加者と観衆を含め数千人が集った同地の地下鉄ユニオンスクエア駅では、暴動回避のため一時L線や4〜6番線の運行停止措置が取られ る事態となった。
反格差社会デモ支持者による抗議行動は過熱しており、14日にはデモの本拠地があるロウワーマンハッタンに設置されたチェイス銀行のATMに排泄物が捨て られているのが発見された。同日、近隣の公共広場でも同様の排泄物が捨てられているのが見つかり、ニューヨーク市警察庁(NYPD)は21日までにフィラ デルフィア在住の男を逮捕した。