暖冬後の春、例年より暖かに  3月と思えぬ初夏の陽気

 今月20日、正式に春を迎えたニューヨーク市では、日中は摂氏21度(華氏70度)を超える初夏の陽気が続いている。気候専門家は、ことしのような記録的な暖冬の後は、さらに例年より暖かい春が到来すると予想している。

米気象庁によると、今冬のニューヨーク市の積雪量は、12月〜2月を合わせても4・5インチと、過去6番目に少なかった。大雪で交通機関が麻痺した昨年の積雪量は、過去3番目に多い61・9インチ、また09年〜10年には51・4インチといずれも記録的なもので、今冬と対照的だった。また、この冬のマンハッタン区セントラルパークの平均気温は8・27度と例年より5・9度高く、過去2番目の暖冬であったとのこと。

記録的な暖冬に続く今春の気候について専門家は、ジェット気流の変動が寒気団をブロックし、さらに暖かく湿った空気が流れ込んで来ると予想。暖 冬がもたらした暖かい空気は動植物にも影響し、渡り鳥の移動時期や動物が冬眠から目覚める時期も早まるほか、南部のみに生息するとされる昆虫や動物がこの 春にはニューヨーク周辺に移動すると見られている。昆虫や害虫の活動時期が早まることにより、ライム病などの感染症の発生も早期化すると警告する専門家の 指摘も多く、今後の気候の動きが注目される。

3月とは思えない温かな日が続くニューヨーク。街には早くも薄着の人々が見受けられる=3月22日(photo: Tome)