ニューヨーク州およびニューヨーク市の議員らが、ニューヨーク市とボストンやフィラデルフィアなどの大都市間を結ぶ低料金の中・長距離バスを対象に、停留所やアイドリングなどに関する規制案を23日、提出した。停留所の周辺住民などによる苦情が殺到したため。
メガバスやボルトバス、通称〝チャイナバス〟などの中・長距離バスは通常、指定の停留所を持っておらず、乗客をマンハッタン区チャイナタウンやチェルシーの歩道で乗り降りさせることで、低料金サービスを提供してきた。
だが、これらのバスが停留する道路沿いにある民家やアパートの住民などからは、バスを待つ乗客が歩道に溢れ通行人の妨げとなったり、急にバスが止まり交通渋滞を引き起こしたりしているなどとして、政府に対し多くの苦情が寄せられていた。また、昼夜を問わずアイドリングするバスも多く、これらのバス会社の経営自体を差し止めるべき、と非難する声も聞かれる。
同規制案はこれらのバス会社に対し、指定の停留所を持ち、1台につき停留料金として275ドルの支払いを義務付けるというもの。また、バス会社は使用するバスの車種やコンディション、定員のほか、バスが使用されていない時の停車場所についても市に提出しなければならないとしている。違反した場合には、2500ドル以下の罰金が科されることになる。
だが、ピーターパンやグレイハウンドなどポートオーソリティーに停留所を持つ大手バス会社などは市に使用料として年間200万ドルを収めており、同組合の広報は、「1台275ドルの許可証代金は安すぎる」と指摘。新規制案の見直しを訴えている。
ニューヨーク州近郊では最近、低料金バスによる横転事故も多発している。