クレーン倒壊事故に無罪判決

被告に無罪判決 2008年クレーン倒壊事故

  2008年にマンハッタン区アッパーイーストの工事現場で作業員2人が死亡したクレーン倒壊事故を巡る公判が4月26日、マンハッタン区の州最高裁で行われ、事故の管理責任を問われていたクレーン会社と同社社長のジェイムズ・ロマ氏いずれに無罪が言い渡された。遺族を含む原告側は今回の判決への不満を露にした。

 同裁判のダニエル・コンバイザー裁判長はロマ氏に無罪を言い渡した際、判決に何の説明も付け加えなかった。起訴状はロマ氏の会社が安全より利益追求を優先させた結果、死亡事故を起こしたとしていた。

 ロマ氏はクレーンの修理を早く安くできる無資格の中国系のRTR社に依頼したことを認めていたが、事故がRTR社の不十分な溶接により引き起こされたものではなく、2人の建設作業員が判断を誤り、許容重量以上のものを引き上げたために起こったと主張していた。

 08年5月30日、マンハッタン区アッパーイーストにある32階建てのビルの工事現場でクレーンが倒壊し、作業員2人が下敷きとなり死亡した。