マンホールの蓋どこへ? 盗難事件が多発

 最近ニューヨーク市で、マンホールの蓋が盗まれるという奇怪な事件が多発している。3月以降、クイーンズ区、ブルックリン区、ブロンクス区を中心に、一枚 300ポンドもある鋳鉄製のマンホールの蓋が、工事現場の作業員を装った何者かにより道路から持ち去られており、その数は少なくとも30枚以上に上るという。

 マンホールの蓋を管理している公益事業会社コンソリデーテッド・エジソン(コン・エジソン)の職員は、マンホールの蓋がスクラップメタルを扱う闇業者に売られている可能性を指摘する。コン・エジソンによると、蓋一枚取り替えるのに、人件費抜きで200ドル掛かるが、費用の問題だけではなく、歩行者や通行車両の危険を懸念する。

 コン・エジソンは、スクラップメタル業者に対し、同社の社印が刻印されたマンホールの蓋を何者かが持ち込んできた場合は、速やかに通報するよう協力を呼び掛けている。

 ニューヨーク市警察庁(NYPD)は3月19日、ブロンクス区で市環境保護局が所有するマンホールの蓋を8枚所持していた男2人を重窃盗罪と盗品所持で逮捕した。それ以来、同区では同様の事件は発生していないが、クイーンズ区とブルックリン区では未だに相次いでおり、4月20日以降、26枚が盗まれている。