過去2年に消防隊への入隊試験を受験したマイノリティーとされる少数派民族と女性志願者が、5年前の倍になったことが分かった。
ニューヨーク市消防局(FDNY)のサルバトーレ・カサノ長官によると、今春の消防士の採用試験志願者総数は4万2161人で、うち1万9260人が非白人、1952人が女性で、いずれも過去最多を記録した。
現在ニューヨーク市で働く約1万人の消防士のうち、6%がヒスパニック系、3%が黒人、1%がアジア系、そして0.28%が女性。
消防局の試験が白人の志願者に有利な偏った内容であり、雇用の際に民族差別があったとして2007年、司法省はFDNYと市を提訴していた。ガローフィス判事は07年の試験内容が偏っていたことを認め、市が公平な試験を行わないなら、雇用の権限を廃止する、とした。だがニューヨーク市は、新たな雇用法がマイノリティーを優先した割り当て制度になりうるとして反論している。
ニューヨーク市は07年以降、一連の事態を受け、消防士の採用を一切行っていない。その結果消防士が不足となり、昨年度に現職の消防士の超過労働などに支払われた費用は、4100万ドルに達した。
過去2年間、FDNYと市は裁判所の指示に積極的に従ってきた。そしてマイノリティーの志願者を増やすことにより、消防士の人種を多様化するよう努めてきた。FDNYは来春から4年間で新たに3500人を雇用し、補給する見通し。