駅のごみ箱、さらに撤去へ ごみゼロの街作り目指し試験的に
地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)は今夏、駅構内の衛生を図る目的で、ニューヨーク市の比較的利用客の少ない地下鉄駅からごみ箱を撤去する意向を明らかにした。
同プログラムは昨年10月からすでに、7番線のフラッシング駅とN・R線の8丁目駅で試験的に実施されており、今回、対象箇所を拡張することになった。
MTA総裁のトム・プレンダーガスト氏は、グランドセントラル駅やペンシルベニア駅のように利用客が多く常に混み合う駅では効果的ではないが、「10番目に利用率の高いフラッシング駅では効果があった」とし、今夏、対象駅を約40駅に増やすとしている。
だが、MTA運営委員会のアンドリュー・アルバート氏は、駅にごみ箱が無くなることで、「利用客が新聞やコーヒーカップなどのごみを投げ捨てずに持ち帰るとは考えにくい」と反論。また、MTA市民諮問委員会のビル・ヘンダーソン氏は、ごみの量は減る可能性が高いが、利用客の不便を懸念する。
さらに、地方紙amNYが8丁目駅周辺で行ったインタビューによると、多くの利用客がごみ箱が撤去されてからも駅はきれいになっていないと感じている、と回答したことが分かった。
PATHトレインではすでに数年前から全駅のごみ箱を撤去しており、持ち込みごみの量が激減するなど奏功している。同プログラムの第一の目的は危険物の排除だったが、車両内や駅構内の衛生面の向上にも繋がった。
近年、ニューヨーク市内では、駅構内に食べ物の残りやごみを持ち込み、ところ構わず捨てるなど非衛生的な行為が目立っており、ねずみの異常繁殖にも影響している。MTAは、構内にごみ箱が設置されていなければ、ごみを持ち込んだり破棄する人が自動的に減少するのでは、という点に着眼した。