殺害供述で男逮捕 33年前の男児失踪事件

皮肉にも、事件発生から丸33年目を迎えた５月25日の地元ニューヨーク各紙の表紙には、同事件の容疑者逮捕の記事が大々的に取り上げられた（photo: Tome）

1979年５月25日にマンハッタン区ソーホーで登校途中のイータン・パッツ君（当時６歳）が行方不明になった事件で、ニューヨーク市警察庁（ＮＹＰＤ）は24日、男児を絞殺したと供述したニュージャージー州在住のペドロ・ヘルナンデス容疑者（51歳）を殺人容疑などで逮捕した。ニューヨークを震撼させた児童失踪事件の終焉を、全米の各メディアは大きく報じている。

　同日会見したレイ・ケリーＮＹＰＤ長官によると、ヘルナンデス容疑者は家族の一員に「以前、ニューヨークで子どもを殺害してしまった」と打ち明けており、家族がＮＹＰＤに話したため、23日に捜査員に付き添われて任意で出頭。急きょ同容疑者の事情聴取が始まったとされる。物的証拠は見つかっていないが、容疑者は「胸のつかえが取れた」とし、一連の容疑を認めているという。

　ヘルナンデス容疑者は33年前の５月25日朝、初めて一人で登校するためにブロードウェー沿いを歩いていたイータン君にジュースをあげると食料品店に誘って地下室に連れ込み、首を絞めて殺害したと供述。遺体はかばんに入れ、近くのごみ捨て場に遺棄したという。

　イータン君は2001年に法的に死亡宣告されたが、ことし４月に連邦捜査局は33年ぶりに捜索を開始したばかりだった。

　現在では、イータン君が姿を消した同日は、全米行方不明児童の日として知られるようになった。