デビットカードを狙った詐欺事件が近年、増加傾向にあることがこのほど、調査会社ジャベリン・リサーチの調べにより明らかとなった。また、暗証番号の設定次第で詐欺被害に遭う可能性を低くすることができることも判明した。
同調査によると、2009年に全米で発生したカード詐欺のうち27%がデビットカード関連だったが、10年では9ポイント増の36%と大幅増。一人当たりの平均被害総額は2529ドルだった。
個人情報窃盗リソースセンターによると、デビットカードは使用したその場で現金が動き、クレジットカードに比べ履歴の追跡調査など保障システムが緩いため、犯罪元を突き止めるのが困難だという。また、カード会社自体の安全管理は徹底しているが、顧客がデビットカードを使って買い物をする際に特定の会社などに提供した情報の流出の差し止めは難しい、としている。
だが、テキサスを拠点とするカード会社 PLUSによると、詐欺被害は暗証番号の設定次第で幾分か避けられるという。同社ディレクターのエリック・リラード氏は、「ケンブリッジ大学の研究報告によると、デビットカード保持者の11人に1人が簡単に当てられる番号を採用している」と指摘。自分の生年月日や連番など、他人でも安易に予想が付くような番号は避けるよう注意を促す。
また、銀行口座の履歴をこまめに確認すること、暗証番号や社会保障番号を書き留めたメモを財布などに入れて持ち歩かないこと、路面に設置されたATMの利用を控えることなどが、被害から身を守る方法であると紹介している。