不景気で入学難関に CUNY、民族構成に変化も

 昨今の不景気により、ニューヨーク州民に限り年間学費が5430ドルという安さが人気を呼び、ニューヨーク市立大学(CUNY)の志願者が急増、入学が難しくなってきている。

 入学の際に要求されるSATの点数が1200点以上の入学者は、2001年には12%だったのに対し、11年の入学者は26%となった。入学の基準レベルが上昇したことで、学生の民族構成にも変化が見られる。

  11年度の同大入学者の民族構成は、黒人が10%、ヒスパニック系が18%、白人が35%で、アジア系が最多数の37%を占めた。10年前と比較して白人の入学率に目立った変動はないが、10年前は17%だった黒人は7%減少した一方で、25%だったアジア系は12%増となった。ヒスパニック系は、10年前から上昇の一途をたどる。

 だが、CUNY校長のマシュー・ゴールドスタイン氏は、新入生の民族構成が変化していることに関心を寄せながらも、過去3年間で編入生の数が新入生を上回っていることに注目している。そして以前より、黒人とヒスパニック系の学生の卒業率が大幅に上昇していることについて言及、入学生数よりも卒業生の数が重要である、と語った。

 またCUNYだけでなく、ノースカロライナ大学チャぺルヒル校やテキサス州立大学オースティン校など、全米の州立または公立大学の人気も高まっており、入学レベルが上昇している。