世界の料理が楽しめるニューヨーク。フレンチやイタリアン、ベトナム料理も良いけれど、われわれ日本人にとって多国籍料理と言えば、やはりお隣り中国の中華料理がなじみ深いのではないだろうか? 今回は、ニューヨークで唯一、和風中華が楽しめるお店をご紹介。
エビチリ、酢豚、青椒肉絲に八宝菜—。日本で食べたあの懐かしの和風中華が食べられる店として人気を博すのが、マンハッタン区ミッドタウンにあるレストラン「佐分利(さぶり)」。連日、中華料理ファンのニューヨーカーだけでなく、学生や駐在員をはじめとする日本人客で賑わっている。「やっぱり、日本にいる時に食べていた〝あの中華〟が一番おいしいよね」と口にする常連客は多い。
それもそのはず。オーナー兼ヘッドシェフのサイさんは、料理の鉄人として知られる陳建一さんと同じ厨房で腕を磨いてきた実力派。京都での修行を通して得た日本人好みの味付けと本場中国の味を融合した和風中華は、思わず「これこれ!」と顔がほころんでしまう懐かしの味だ。
「ニューヨークには中華料理のお店はたくさんあるけれど、和風中華が楽しめるのはウチだけしかないんじゃないかな」とサイさん。多数の日本人常連客を抱えることこそが、〝これぞ日本人が好む味〟を物語っているのではないだろうか。「余分な調味料は使っていない。あくまで、みなさんに身近な〝シンプルでおいしい家庭料理〟を提供しています」
数あるメニューの中でもサイさんが特におすすめするのが、好みの辛さを選べる「麻婆豆腐(11ドル)」。香辛料の効いたスタミナたっぷりのピリ辛は、炊きたてのお米と豪快にいただくも良し、これからの季節ならビールのお伴にいただくも良し。とにかく一度食べたら病み付きになる鉄板メニューだ。また、サイさんが京都での修行時代にヒントを得たという湯葉を使った「海鮮湯葉春巻き(11ドル)」や「海老しゅうまい(7ドル)」「佐分利特製あんかけラーメン(13ドル)」はあっさり仕立てなので、女性客におすすめしたい。
「どれも自慢の一品ばかり」とサイさん。「まずは食べに来て下さい、シェフをはじめチャイナドレスのバーメイドが皆さんのお越しをお待ちしております」と自信を覗かせる。
■問い合わせ
◎レストラン佐分利
168 Lexington Ave
(bet 30th & 31st St), NYC
212-481-7766
営業時間:月〜土:6pm〜3am
www.saburiny.com