10代の就職率が戦後最低に 出身家庭の所得格差も影響
現在、米国では16歳〜19歳の若者の就職率が戦後最低となり、ことしの夏のアルバイトを含め44%が職を得られない、または短時間の仕事しか見つからない状況であることが判明した。
ここ数年の不景気で、以前は10代の若者が占めていたエントリーレベルの仕事に、高齢者や移民、学生ローンを抱えた大学卒業者などが殺到していることが大きな原因と見られる。特に高校卒業後に大学へ進学しない若者が就労経験を積む機会を奪われていることは、大きな社会問題だ。
ジョージタウン大学公共政策学部教授ハリー・ホルツァー氏は、低所得家庭出身の若者は大学に行くことができず、技術を身に付けたり職業トレーニングを受ける機会が少ないことを指摘。昔は高卒者が就職を機に職業経験を積むことで成功につながった例がたくさんあったが、現在は就職すらできない状況が続いていると話す。
また、イースタン大学労働市場研究センター長のアンドリュー・サム氏は、特に大学へ進学しない高卒者に高校4年生時に有給インターンをしたり、技術教育の機会を与えられるような社会のバックアップの必要性を説く。
一般的に白人の高収入家庭の子どもは親のコネクションもあり、貧しい黒人低所得家庭の子どもの3倍も夏のアルバイトを得やすいというデータも出ている。
大学進学を控えたアリゾナ州在住のコリーン・ナグズさんは、「コネも無く仕事の経験も無いので、夏のアルバイト応募先全てから断られ、十分な大学進学資金がない」と不安を訴える。