オバマ大統領は14日、ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事およびニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長と共にロウワーマンハッタンにある世界貿易センター(WTC)跡地に建設中で、財政問題を原因に工事が中断している9.11記念博物館を2日間にわたり視察した。その結果、同館の所有者であるニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)を管理するクリスティー氏とクオモ氏は、国立公園局(NPS)の経済援助と技術支援が必要という意見で一致、16日、NPSに要請書簡を送った。だが、NPS側は直接の回答を避け、米国務長官ケン・サラザー氏に回答を委ねている。
要請書簡には、ニューヨーク州選出上院議員チャールズ・シューマー氏と同キルスティン・ギリブランド氏、ハワイ州選出上院議員ダニエル・イノウエ氏などが名を連ね、未決定の連邦法が施行された場合、年間2000万ドルの助成金が博物館基金に支給され、工事再開へ繋がることが示唆された。
昨年9月11日に同館の一部がオープンしているが、博物館の所有者であるPAとブルームバーグ氏が代表を務める博物館基金側が財政問題で対立し、PA側は基金側に3億ドルの建設費用を請求。基金側はPAに建設遅滞料として1億4000万ドルの損害賠償金を請求する事態となっている。
同館は米中枢同時テロの発生から11年となることし9月の開館を予定しているが、早急に工事を再開しない限り間に合わないとされており、財政難のために難航する事態に犠牲者の遺族らからは批判的な声も聞かれる。