原材料や酒造行程、さらに造り手の魂によって千差万別の味を醸し出す日本酒。今回は、北海道は旭川にある西神楽夢民村の大地の恵が詰まった純米大吟醸をご紹介。
酒の新時代へ 日米初のコラボ商品が解禁
北海道旭川市を拠点とする農業生産法人「西神楽夢民(むーみん)村」がこのほど、旭川の自然をふんだんに使った純米大吟醸「粋(iki)」の全米展開を開始した。
すっきりした味わいに、大雪山の峰々をイメージした美しいボトルは五感で楽しめる新感覚の日本酒として、昨今、急速な市場開拓に成功している米国の日本酒業界に、新たな旋風を巻き起こすことになりそうだ。
北海道の自然に抱かれた恵みの酒
日本酒の個性を左右する原材料。純米大吟醸「粋」は味の要となる米に、自前で生産した酒造好適米「吟風」を使用。同じ旭川市を拠点とする高砂酒造の協力を得て、通常の食米よりたんぱく質が少ない吟風を45%まで磨き込むことで、米が持つ独特の甘みを最大限に引き出すことに成功した。夢民村の島秀久社長も、「夢民村で丁寧に育て上げた酒造好適米こそが、『粋』の個性と言っても過言ではない」と指摘する。
また仕込み水には、北海道中央部に広がる大雪山から汲まれた軟水を使用。110年前に降り積もった口当り柔らかな雪溶け水に、その歴史とロマンを旋回するだけでうっとりしそうだ。
リッチで滑らかな味わい、そしてワインの上を行く華やかさを併せ持つ「粋」。オイスターやエビの甘みをより一層引き立ててくれるので、それらを使ったシーフード料理のほか、カマンベールのような軽やかな味わいが楽しめるチーズ各種などがペアリングに最適となっている。
日米初のコラボ酒
地元、旭川の自然を軸に造られる純米大吟醸「粋」だが、特筆すべきは〝日米初のコラボ開発〟という点にもあるだろう。「日本国外でも広く愛される酒になるように」との願いを込め、開発段階からニューヨークを拠点とするシェフ、クリストファー・リー氏の助言を受け、〝アメリカ人好みの味〟に仕立て上げた。
リー氏は2005年、食のオスカーと呼ばれ、優れたレストランやシェフなどに贈られる「ジェームス・ビアード・アワード」を受賞した実力派。今回の開発を受け、リー氏は実際に日本を訪れ、日本酒の文化や時代背景を学ぶことから着手した。日本食だけのための日本酒ではなく、「西洋の食事にも抜群に合う酒を造るということが今回の最大の目的」とし、「米国での日本酒人気が高まるにつれ、酒に対する評価も厳しくなっていくなか、『粋』こそ申し分ない作品に仕上がった」と自信を覗かせる。
北海道の大地が育んだ程よい甘みと爽快な喉ごし、後味すっきりの純米大吟醸「粋」。これからの季節、きりっと冷やしていただきたい。
販売元:西本貿易株式会社