ニューヨーク市議会は17日、マンハッタン区グリニッチビレッジにあるニューヨーク大学 (NYU)のキャンパス拡張工事計画に関する審議を行い、賛成19反対1票で承認した。25日には評議会の投票が行われる。
NYU副学長のアリシア・ハーレイ氏は今回、拡張工事が承認されたことで「NYUの今後20年の発展につながる」と、喜びの胸中を語った。だが、一部の大学関係者や周辺住民からは拡張工事反対の声が依然聞かれ、20年にわたる一大計画の着工は2014年まで実現しなさそうだ。
学生総数5万人、教職員1万7500人から成る同大は、学生一人当たりのキャンパス面積が他の有名大学と比べ著しく狭く、在学生の増加により教室や寮が慢性的に不足している。大学の当初の計画ではエンパイアステートビルと延べ床面積が同程度のビル7棟を建設する予定だったが、付近の住民の反対もあり、4月にワシントンスクエア公園南側にある大学官舎の広大な土地にビル4棟を建設することで譲歩。また、6月には市の計画委員会の意向により、プロジェクトの外に建設予定だったホテルや飲食店を無くすことになった。
しかし、周辺住民の大半は閑静な低層住宅の景観を壊すとし、当初からこの拡張工事計画に猛反対してきたほか、大学官舎に住む教職員の4割が工事の際のほこりや騒音で環境が壊されるとして否定的に感じていると回答している。