米食品医薬品局(FDA)はこのほど、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)の感染を自宅で確認できるテストキット「オラクイック(OraQuick)」の市販を認可した。
従来のHIVテストは病院で採血後、血液が専門の検査機関に送られるため、判定までに時間が掛かった。だが、オラシュア・テクノロジーズ社が開発した同テストキットは、綿棒を口に入れ唾液を付け、20分〜40分放置するだけで判定するため自宅でも手軽にできるのが特徴。
10月から、ウォルグリーン、CVS、ウォルマート、オンライン薬局などで1セット60ドル以下で販売開始となる見通し。
同社によると、米国におけるHIV感染者は120万人に上り、うち24万人は感染に気付いておらず、「オラクイック」が毎年5万人ずつ増加し続けている新感染者を減らす手立てになるものと確信していると自信を覗かせる。
しかし、同キットによる陽性検知率は92%に留まり100%ではないが、陰性の検知率は99%とほぼ確実だという。
同社社長のダグラス・マイケル氏によると、同キットは医療機関には1セット17.50ドルで販売されるが、市販価格は数倍に設定される予定で、市販の収益の一部を無料コールセンターで活用し、消費者にカウンセリングや医療紹介という形で還元すると話している。