12年、警官の銃撃被害10件に 過去4年の合計件数上回る

 ことし銃撃されたニューヨーク市警察庁(NYPD)所属の警官数がこのほど、過去4年間の合計件数を上回った。2008年から11年の4年間で銃撃された警官は9人だったが、今月8日、クイーンズ区ジャマイカでクレイグ・ビア巡査部長が銃撃されたことにより、本年度の被害件数は10件となった。

 ビア氏は脚に2発の銃弾を受け負傷したものの、命に別状は無かった。容疑者は同区在住のジョン・トマス(24歳)とみられ、NYPDはトマス容疑者の行方を捜索している。

 ビア氏の父親もかつて警官で、任務中に銃撃されている。ことし銃撃された10人の警官の中で死亡した人はいない。

 市議会議員ピーター・ヴァロン氏(クイーンズ区アストリア地区選出・民主)は、公衆安全委員会の議長として、銃撃された警官の統計を監視している。ヴァロン氏は、コロラド州およびウィスコンシン州の銃乱射事件後、多くの警官が映画館や礼拝所に配置されたため、市内を巡回する警官が激減しており、特にマンハッタン区以外の各区で犯罪が増加していること、銃犯罪と違法薬物が関連していることなどを指摘。また、ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長に加わり、連邦政府に不法銃を厳重に取り締まるよう要求している。

 ブルームバーグ市長は、不法銃所持による乱射事件は危機的であるとし、早急に厳しい銃規制を施行しない連邦政府の落ち度を再度批判した。