コンピューターネットワーク上で行われるサイバー犯罪は近年ますます手口が巧妙化し、ハイテク機器を駆使した個人情報の盗難や詐欺被害などが増加している。マンハッタン地区検察局はこうしたサイバー犯罪に対応するため、ハイテク犯罪に的を絞ったサイバー犯罪に関する専門研究所の建設計画を発表した。
マンハッタン地区検察局内に建設予定のサイバー犯罪研究所には、コンピューター科学犯罪専門員、検察官、分析官、捜査官を含む約50人が配置され、13年末に完成する予定。スマートフォンやコンピューターなどの電子機器を科学的に分析する個人情報盗難局も併設される。このための建設費420万ドルは、すでに市議会の承認を得ている。
サイラス・ヴァンス検察官は情報通信技術の発展に伴い、巧妙、複雑化するネット犯罪を指摘。「巧みな犯罪の脅威から市民を守るためにも、これまで以上、迅速かつ的確に対応する必要がある」と強調した。また、瞬時に広域的に被害が発生することから、全米や国際機関とも連携する意向を表明。
また、市議会議長クリスティン・クイン氏(民主党)はサイバー犯罪について「ネット社会が拡大し続ける現代の新犯罪」とし、複雑なコンピューター犯罪と闘うために「われわれは犯罪者以上にハイテク事情に精通しなければならない」と話した。
当局によると、毎月マンハッタン区では約200件〜300件の個人情報盗難被害が確認されており、2010年〜11年に犯罪で使われたコンビューターの数は前年の約3倍に上る。