「心優しい青年だった」 容疑者母が息子語る

24日にエンパイアステートビル前で発生した発砲事件の加害者であるジェフリー・ジョンソン容疑者(58歳)の実母(80代)が米紙ニューヨーク・タイムズの取材に応じ、容疑者の生い立ちや性格などについて打ち明けており、話題となっている。

 ジョージア州に住む容疑者の母親は息子について「動物好きで優しく、愛国心に溢れた青年だった」と分析するが、可愛がっていた猫が最近死んだため、事件直前は精神状態が著しく不安定だったと指摘する。

 ジョンソン容疑者は日本で生まれ、生後10カ月の時に渡米、ジョージア州で育った。フロリダ州のRingling College of Art & Designを卒業後、沿岸警備隊に入隊。その後、結婚および離婚を経て、アーティスト人生を懸けニューヨークへ移住。今回、事件現場となった女性服飾店ハザン・インポートでTシャツデザイナーとして働いていたが、昨年、解雇されている。

 事件は24日午前9時ごろに発生。ジョンソン容疑者はエンパイアステートビル近くにある元勤務先のハザン・インポート店内で、セールスマネジャーのスティーブン・エアコリノさん(41歳)を銃殺後に逃走。取り押さえようと近付いてきた警官に銃口を向けたため、警官2人により殺害された。また、警官が発砲した流れ弾により、通行人ら9人が負傷した。

 捜査当局によると、容疑者は生前、解雇の原因は商品の売り上げを伸ばせなかったエアコリノさんにあると主張しており、犯行動機はその逆恨みであった可能性があるとしている。