肥満女性は、普通体型の女性と比べ妊娠しにくい傾向にあるということが、医学誌ヒューマン・リプロダクションのオンライン版で紹介された。研究を行ったのは、ブリガム・アンド・ウーマンズ病院。
研究は、276個の受精しなかった卵子を使って実施。大半が肥満度を表すボディマス指数(BMI)が25以上の肥満女性のものであることが判明した。また、肥満女性の卵子の質は、普通体型の女性のものより劣っており、ホルモンバランスの崩れから、排卵障害が起こり易くなることも分かった。
研究に携わった同院のキャサリン・ラコウスキー博士は、重度の肥満女性の卵子は複数の紡錘体と無秩序な染色体を持つ確率が高く、ひとつの紡錘体を持った卵子の方が妊娠が成立しやすいことを指摘している。また、レノックスヒル病院のミッチェル・ロズリン博士は不妊に悩んでいる肥満女性に対し、「まずは肥満を解消することが先決だ」と助言する。
BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値。18.5未満は痩せ型、18.5〜25未満は正常、25以上は肥満と定義されている。