ニュージャージー州当局が公表したいじめに関するレポートによると、2011〜12年度に同州の公立学校で発生したいじめは12万24件だった。同州では昨年、クリス・クリスティー州知事のもと新法が施行され、いじめが起きた場合、各学校は州政府に報告するよう義務付けられている。
同州のいじめ防止法は、全米でも1、2位を争うほど厳格なものと認識されている。同法により、いじめ件数の報告義務に加え、全ての公立学校ではいじめ撲滅プログラムを管理し、コーディネーターを配置する必要がある。
だが、ニュージャージー州のいじめ認知及び防止を広める連合会会長スチュアート・グリーン氏は、被害報告は個人の判断によりなされるものであるため、いじめ行為と断定する基準が曖昧であると指摘。「これらの数値が何を示すか明確でない」と述べた。また新法ではいじめの判断基準が変わったため、過去のデータと比較できない点も問題視した。
最もいじめが多かったのは、1万3000人以上が公立学校に通うウッドブリッジ学区で177件。また、3万9000人の生徒を有する同州最大のニューアーク学区では105件の報告があった。
米国では昨今、集団無視や暴行を加えるなど直接的ないじめだけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを介した悪質なネットいじめに関する問題も深刻化している。各州でいじめによる自殺者も出ているため、州および連邦によるいじめ撲滅対策の必要性が問われている。