従軍慰安婦の記念碑建立へ 韓国系多いNJ州バーゲン郡

 ニュージャージー州バーゲン郡当局はこのほど、第二次世界大戦中に日本軍兵士によって性的奴隷となることを強いられた韓国人従軍慰安婦の記念碑を郡庁向かいの裁判所前に設置する意向を表明した。

 約20万人と予想される犠牲者を追悼するこの記念碑は、すでに4基の碑が並ぶ「名誉の輪(Ring of Honor)」と呼ばれるエリアに建立される。これら記念碑は、米国の奴隷制度の犠牲となった黒人、ナチスに虐殺されたユダヤ人、トルコに虐殺されたアルメニア人、大飢饉の際英国の無策によって餓死したアイルランド人を追悼し、5つ目の碑として慰安婦のものも並ぶことになるという。

 記念碑建立決定の背景には、同郡在住の韓国人および韓国系米国人の人口増加による社会的、政治的影響力の拡大がある。同郡はニュージャージー州の中で最も韓国系住民が多く、2010年の国勢調査では全住民の6%を占める結果となった。

 また投票権法(Voting Rights Act)では、移民人口が郡人口の5%を超えるとその移民の主要言語を投票用紙に含める規則があるため、11月に控えた米大統領選挙の一般投票では、郡史上初となる韓国語の投票用紙も導入されることが決定している。

 キャサリーン・ドノヴァン郡長はつい先日韓国を訪問し、「経済と文化を知る任務」のもと、複数の大企業の他に、元従軍慰安婦を追悼し保護する「シェアリングハウス」と呼ばれる施設にも足を運んでいる。