ヘッジファンドを運用するクイーンズ区出身の米著名資産家ジョン・ポールソン氏(56歳)が23日、ニューヨーク市民の憩いの場として愛されるセントラルパークに1億ドルを寄付した。155年の歴史を誇る同公園だけでなく、全米の公園への寄付としては史上最高額となる。
米経済誌フォーブスによると、ポールソン氏の資産総額は推定123億ドルとされる。同氏は記者会見で、セントラルパークは祖父母が初めてデートをした場所であり、自身にとっても子どもの頃によくアイススケートをした思い出の場所であるとし、「地球上で唯一無二の楽園」と語った。
セントラルパークの年間運営予算は4600万ドルであることから、同園を管理する団体は莫大な額に「驚きを隠せない」と発表した。
寄付金の内訳は、半分は同公園の基金に充てられ、残りの半分は園内北西に位置するノースウッズという森やコロンバスサークル横の公園南西側入り口にたたずむマーチャント・ゲートなどの公園施設の修理や維持に使用される予定。
ニューヨーク市民の中には、市内の他の公園にも寄付金の一部が渡るべきだと唱える者もいるが、やはりポールソン氏の厚意に感謝する声が圧倒的に多い。
西90丁目の入り口から道を隔てたアパートに住むシャーリー・スケーブさん(71歳)は驚きと喜びを隠せず、新しいドッグパークの建設を希望している。他にも、公園内の電灯を増やすなどの安全対策の向上を願う市民もいる。
ポールソン氏はこれまでにも、教育や医療系を中心にさまざまな機関に寄付している。