ニューヨークおよびニュージャージー両州を含む米東部は7日、ノーイースター(Nor’Easter)と呼ばれる冬季特有の強風を伴う低気圧の影響で降雪に見舞われ、先月29日に米東部を襲ったハリケーン「サンディ」により被災した両州の住民にさらなる苦痛と苦悩をもたらした。
北米で120人もの死者を出し、64万戸が停電被害に遭うなど米史上最大級の損失をもたらしたサンディの被災者に追い打ちをかけるように、7日の嵐によりニューヨーク市内では2万2000戸が新たに停電になったほか、復旧作業の中断が強いられた。
ニューヨークおよびニュージャージー両州当局は、ノーイースターの被害が最も大きくなると予想された沿岸部の住民や、サンディで自宅が冠水や倒壊被害に遭った住民には事前に避難所へ移るよう勧告するなど、事前対策に努めた。
だが、サンディ被災後は自宅アパートで暖房も電気もない生活を続けているクイーンズ区ファーロッカウェー沿岸部在住のクリスティーン・ジョーンズさん(73歳)のように、「留守にすると盗みが入るから、自宅を空けたくない」と避難を拒む人も多数見受けられた。
電気・ガス供給会社コンソリデーテッド・エディソン(通称コンエド)でも、ニューヨーク州内の電力復旧作業も中断せざるを得なかった。このため、電気やガスの完全復旧は大幅に遅延することとなった。
ニューヨーク市は市内沿岸部の住民に対し、小型ヒーター1500台を配給するなど、防寒対策にもあたった。