医学誌アナルズ・オブ・インターナルメディスンでこのほど、睡眠不足と肥満の関連性に関する論文が発表された。同研究を行ったシカゴ大学の研究チームによると、睡眠不足になると血糖値を下げるインスリンと呼ばれるホルモンを受け入れるインスリン感受性が低くなるため、血糖値が高い状態が続き、肥満や糖尿病のリスクを高めることになるという。
研究チームは、7人の健康な実験参加者に期間毎に異なる睡眠時間を設定し、生活してもらった。その結果、睡眠時間の短い期間中の方が、いずれも参加者の腹部から取った肥満細胞はインスリン作用が低くなっていた。
研究論文の統括著者である同大のマシュー・ブラディ博士は、「平日の睡眠時間が平均4〜5時間しか取れない人が多いことに驚いた。睡眠時間が短くても問題ないと考える人が多いが、今回の実験で睡眠不足は肥満に繋がることが証明された。痩せたいならまずは睡眠時間を十分に取ることが大切」と研究内容の重要性を強調した。また、理想の睡眠時間は1日8時間とした。
カナダのアルベルタ大学に所属するリー・グリーン博士によると、「睡眠不足がちな人の99%が、4〜5時間寝れば問題ないと勘違いしているが、自らの体を痛めつけていることと変わりない」として、老若男女問わず十分な睡眠時間を確保するよう呼び掛けた。