搭乗拒否の肥満女性が死亡 夫が3航空会社を訴訟

 肥満が原因で旅客機への搭乗を拒否されたために、持病の治療が遅れ妻を失ったとして、ブロンクス区在住のジャノス・ソルテスツさんが航空会社3社を相手取り、近く600万ドルの損害賠償を求め訴訟することが判明した。

 調べによると、死亡したのはジャノスさんが33年間連れ添った妻のヴィルマさん(56歳)で、体重は425ポンド(約192キロ)。糖尿病と腎臓病を患っており、左足の切断に伴い車椅子生活を強いられていた。

 夫妻は母国ハンガリーで約3週間の休暇を終え、10月初旬にニューヨークに戻る予定だったが、KLMオランダ航空、デルタ航空、ルフトハンザドイツ航空はいずれもヴィルマさんが2席分の座席を購入していたにもかかわらず、シートベルトが装着できないという理由で搭乗を拒否していた。

 ヴィルマさんはその直後、ハンガリーにある別荘で死亡が確認された。以前からハンガリーの医療システムを信用していないと公言していたヴィルマさんは、10月初旬にニューヨーク市内の医療機関で専門医に検診してもらうための予約を入れていた。

 各航空会社の広報は「安全面を最優先した結果」とし、直接的な死因は搭乗拒否による治療の遅れではなかったのではないかと疑問視している。