プリンストン大学の気候変動研究者がことし2月までに、気候変動の影響により「サンディ」と同等レベルの超大型ハリケーンが、ニューヨーク州やニュージャージ州を襲う頻度が増えると警告していたことが判明した。
同大所属の地球科学者のマイケル・オッペンハイマー教授と、環境学を専門とするニン・リン教授は大型ハリケーンの予想は立てていたが、これほど早く発生するとは予測していなかったという。オッペンハイマー教授は、サンディの規模について「1000年に一度のハリケーン」と表現し、驚きを隠さなかった。
両氏とマサチューセッツ工科大学の気候科学者らは、ハリケーンが発生する過程を約1000パターンのシミュレーションをし、さまざまな気温や気候条件でハリケーンがどのように変わるか観察、温暖化によってどのような規模と勢力のハリケーンが発生するかを研究してきた。
ハリケーンは通常、温かい水面上で勢力を増すため、温暖化によって海水の温度が高くなれば更に強力なハリケーンが発生することになる。また、温暖化によって海水面が上昇すれば、洪水のリスクも一気に高まるとされる。これを受け両氏は、気候変動によってハリケーンが発生するとは現時点では断定できないが、ハリケーンの発達などに影響をもたらすことについては確信しているという。
このため、「大型ハリケーンの発生頻度は現在は100年に一度だが、21世紀終盤には5〜20年に一度になる可能性が非常に高い」とオッペンハイマー教授は予想している。