ニューヨーク市タクシー&リムジン委員会(TLC)は13日、来年2月15日よりスマートフォンで近くにいるタクシーを呼び寄せることのできるアプリ「e-hail」を試験的に導入することを決めた。同アプリを使用すれば、乗客は今までのように大声で手を挙げてタクシーを呼び止める必要が無くなり、スマートフォンの画面上で近くを走るタクシーを探すことができるようになる。
現在、12社が同アプリサービスを提供する準備を進めており、うち1社はすでに米国内の他都市や海外で「e-hail」アプリサービスを提供している。
タクシー運転手のアントニオ・クラークさんは、「乗客は人通りの少ない暗い道で乗車可能なタクシーを探さなくて済むうえ、運転手が住所を把握しているので、建物の中で待機できる」と新システムの安全面でのメリットを挙げた。
一方、「アプリを通して呼ばれたら、途中の道で手を挙げている人がいても止まらない」と従来のように手を挙げてタクシーを捕まえたい乗客への対応を懸念する人もいる。また、TLCの「e-hail」サービスの試験的導入の決定を受け、顧客を失う可能性のあるハイヤーサービス産業からの反対も予測される。
TLCは本格的にサービス提供をするかどうかの判断を下すため、1年間試験運営し、4半期ごとに報告書をまとめる予定。