ノーベル賞授賞式後に催された華やかな晩餐会の会場に、メイド・イン・ジャパンの「サケ」の姿があった。半世紀にわたり培われた鋭い感覚と確かな舌で日本の高い食文化を世界に紹介し続けてきたJFC International, Inc. が薦める─その名も純米吟醸「福寿」だ。
2012年12月10日、日本人の山中伸弥 京都大学教授がiPS細胞の開発によりノーベル賞医学生理学賞を受賞したのは、記憶に新しい。授賞式終了後には、スウェーデンのストックホルム市庁舎に同国王室および約1300人ものゲストが招かれ、盛大な晩餐会が催された。なんと同晩餐会では日本を代表する蔵元、株式会社 神戸酒心館の純米吟醸「福寿」が供され、山中氏の受賞同様、この快挙は大きな話題となった。
同社はイギリス、ドイツ、オランダ、台湾、韓国を始め世界中に商品を出荷しており、6〜7年前から同品をスウェーデンにも出荷していることから、今回のチャンスにつながった。
同晩餐会には受賞者や関係者など、ごく限られた人のみしか列席が許されておらず、商品を出荷した蔵元であってもその様子を垣間見ることはできない。また、写真や映像もほとんど公開されていないため、同社の純米吟醸が列席者にどんな風に供され、評されたのか──すべてはベールに包まれている。しかし、世界の進化に心身を捧げ日夜研究に携わってきた受賞者たちが魅せられ、心ほどかれ、癒されたことであろう。
この状況がいやが上にも人々の期待感を増し、連日多くのメディアでも報道され、晩餐会の2日後には瞬く間に同品は市場から姿を消してしまった。この注目の高さと現実こそが、何よりもの評価だと言えよう。
260年もの歴史と伝統を誇る同社は、同品に日本の名水百選「宮水」(硬水)と兵庫を代表する酒米「神戸夢錦」を使用し、「箱麹法」と呼ばれる完全手作業の麹造りを始めとする丁寧な酒造りに心血を注いでいる。杜氏が手間をかけ、魂を込め、心を尽くし、同品は生まれるのだ。
鮮やかなコバルトブルーのボトルとシンプルな白のラベル。凛とした雰囲気漂うデザインは、同品が持つイメージを実によく表現している。口に含んだ時に広がる心地よい岩清水のような瑞々しい香り、どこにもとどまることなく身体の隅々の奥深くまで染み込んでいく何とも言えない味わいこそが持ち味であり、晩餐会で供されることになった何よりもの理由なのではないか。中辛口でフルーティーな香りと味わいは、シーフードマリネやビネガーを使ったサラダなどによく合う。常温はもちろんだが、この季節、温かい部屋でキリリと冷やして楽しむのがおすすめだ。
今年のニューヨークは暖かい。泣きたくなるような厳しい寒さや雪に埋もれる日々からはほど遠いが、それでも確実に家で過ごす時間は多くなる。そんな時、手軽にシーフードを使ったオードブルやお気に入りのサラダを用意し、自宅に大切な人や気の置けない友人たちを招き、ホームパーティーという名の晩餐会──と洒落てみるのはいかがだろう。もちろん、テーブルの上にはコバルトブルーがひときわ冴えるこのボトルを用意して。
◎株式会社 神戸酒心館
Web:www.shushinkan.co.jp