最近、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が運営する地下鉄で相次いで人身事故が発生している事態を受け、23日、マンハッタン区長のスコット・ストリンガー氏がMTAに対し、地下鉄の安全対策について再度徹底調査を行うよう訴えた。
同氏は相次ぐ事故を受け、「多くの地下鉄利用者の不安を助長している」として、MTA調査官バリー・クルーガー氏に、「これ以上被害が増えないようにするためにも、今こそ安全管理面の徹底調査が必要」と指摘した。
2012年に発生した人身事故は141件で、うち55人が死亡。11年は146件で、死亡者は47人に上った。
昨年12月には、利用者の2人がプラットホームから線路に突き落とされ車両にひかれ死亡する事件が起こったほか、ここ数日の間にも駅構内で利用者が車両と接触する事故が発生するなど、プラットホームの安全性を問うニュースが大々的に報じられている。
MTA広報のケビン・オルリッツ氏はストリンガー氏の要求に対し、乗客にプラットホームの端から離れるよう注意させるために「地下鉄利用教育キャンペーンの強化」に乗り出すと答えた。
さらに数年のうちにL線上の駅プラットホームに可動式のホームドアを試験設置する計画についても触れた。
日本や韓国の地下鉄駅には、自殺や転落防止を目的としたホームドアが普及しているが、米国ではこのような予防対策がほとんど整っていないのが現状だ。