ニューヨーク市議会議長のクリスティン・クイン氏は11日、ニューヨーク市庁舎で行った一般教書演説の中で、同市の非常に高い生活費が多くの中産階級市民の生活を圧迫していることを指摘し、改善策を提案した。
同市議会議長室が発表した報告書によると、米国内の中産階級市民の平均所得が2001年以降、徐々に減少しているなか、マンハッタン区やブルックリン区の生活費は全米トップ5に入っている。また、08年以前は同階級の失業率は2%であったのに対し、現在は6.2%にまで上昇していることが判明した。
クイン氏は最優先事項に高騰する住宅費の緩和対策を挙げ、今後10年の間に中産階級用の居住アパートを4万戸用意することを提案した。また、建物の所有者が求めやすい価格で住居を貸し出した場合、不動産税を固定するなどの支援を実施することも加えた。
クイン氏は住宅費から教育費に至るまで、中産階級市民にとって同市の生活費は高すぎることを懸念し、「この素晴らしい都市で暮らし続けたいと願う市民が金銭的に余裕を持って生活できるようにしなくてはいけない」と訴えた。
同市の起業家支援プロジェクトの一環として、イーストハーレムの共同キッチンスペースで子供の誕生日向けの菓子やケーキを作るビジネスを立ち上げたレリダ・モジカさんも、ニューヨークで成功しようともがく市民の一人。
モジカさんは、同プロジェクトの支援がなければニューヨークでは起業するのは困難だったと話し、4歳と5歳になる子ども達のための幼稚園探しをする中で、「今後は教育費の心配もしないといけない」と心境を吐露した。