テキサス州交通研究所(TTI)が毎年実施する交通調査によると、ニューヨーク市内で渋滞に巻き込まれる時間は年間59時間(2011年度)で、全米で4番目に長いことが判明した。
共同研究者の一人であるデビッド・シュランク氏は、渋滞によって車のガソリン消費量や排気ガスが増加し、交通産業の生産性も低下するため、同市に118億ドルの経済損失をもたらしていると指摘する。
同氏は渋滞が起こる要因に、「市内の交通インフラの開発が、人口増加に対応できていない」点を挙げる。最善の解決策は、渋滞の多い高速道路やその出入り口を迂回する幹線道路を建設することだと指摘するも、「民家が密集する市街地に新たな道路を建設することは経済的にも立地的にも至難の業である」と難色を示す。
代替案として同氏は、渋滞が目立つ指定の区域への課金制度の導入も検討すべき、としている。マンハッタン区の指定区域を午前6時から午後6時までの間に利用すると、8ドル課金されるという規制案が2008年に州議会に提出されたが、渋滞区域を避ける車両で別の道が混雑することを懸念した指定区域の近隣住民から激しい抗議を受け、実現しなかった。
ニューヨーク市交通局の広報担当者は、マンハッタン区ミッドタウンの信号機の時間調整をするなど、同区内の渋滞緩和対策を複数検討しているとコメントした。