いくら支払えばいいの? 観光客らがメット美術館を提訴

 ニューヨーク市マンハッタン区の人気観光スポットであるメトロポリタン美術館に対し、入館料の表示をめぐる訴訟が起きていることが 訴訟を起こしているのは、同区在住のステファン・ミシェルマンさんとチェコ共和国出身のフィリップ・サスカさんおよびトマス・ナドゥルカルさん。3人は、同館の経営陣らが本来無料であるはずの入館料を、誤解を招くような表示であたかも有料であるように見せかけ、来館者からお金を徴収していると訴えている。

 問題となっているのは、チケットカウンターに設けられている入館料の表示法。そこには大人25ドル、65歳以上17ドル、学生12ドルと表示されているが、その下に小さく「推奨」と書かれているため、来館者の多くが入場料の支払いが任意であることを知らずに同額を支払っているという。

 事実、アルゼンチンから訪れたある学生観光客は、「学生料金の12ドルを払ったが、入場した後に任意であることを知った。予め知っていたら、払わなかった」と打ち明けた。
 ほかにも、金を支払わずに入館しようとした際にチケットカウンターの従業員より料金を支払うよう説得され、25ドル支払った来館者も多数いることが判明した。

 メトロポリタン美術館広報のハロルド・ホルツァー氏は今回の訴訟について、「数カ月前に根拠なしに起きた訴訟と全く同じ」とコメント。同館は4カ月前にも、同様の訴訟内容で告発されている。

 メトロポリタン美術館は市により土地代などの支払いを免除されている代わりに、一般には無料開放し、運営費を寄付でまかなうというシステムを取り入れている。