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2013.03.11 NEWS NY

“忘れない”ことが何よりの支援 東日本大震災から2年、NYでも追悼式典

キャンドルライトを片手に黙とうが捧げられたほか、「ふるさと」の合唱も行われた(photo: Takeuchi)


 東日本大震災から2年を迎えるにあたり10日、マンハッタン区内の教会で追悼式典「TOGETHER FOR 3.11」が行われた。会場には在ニューヨークの邦人を中心に約520人が集い、犠牲者に鎮魂の祈りを捧げたほか、被災者に声援を送った。

 廣木重之日本総領事は「未曾有の惨事を受け、多くの人々が傷つき悲しんだ」と述べ、「より安全で耐震性のある社会の実現が急務である」と独自の見解を披露した。
 またニューヨーク宮城県人会会長の佐々木健二郎さんは、震災発生から4度帰省している旨を明かし、「帰るたびに一部地域の目覚ましい復興ぶりに驚かされるが、沿岸部は今なお荒れ果てた状態が続いている」と指摘、「地域間で起こっている格差の広がりを食い止めなければいけない」と訴えた。

 式典には、米中枢同時テロで義弟を亡くしたグロリア・ウィリアムズさんも参列。ウィリアムズさんは「人は大きなものの前では無力だが、小さなことから積み重ねていくことが大切。その努力を惜しまなければ、多くの人々の悲しみを癒すことができるでしょう」というベトナムの平和活動家、チャン・コンさんの詩を読み上げ、「大切な人を失った痛みはよく分かる」と語り、遺族を気遣った。

 また福島県相馬市にある「みなと保育園」の園児によるビデオメッセージも上映され、園児たちが元気いっぱい「負けないで」「一緒にがんばろう」というメッセージを込めた歌を歌うシーンが流れると、涙を流す参列者の姿も見受けられた。

 同式典を主宰するシンガーソングライターのAK(Akemi Kakihara)さんは、「もう一度、ニューヨークのみなさんにも震災について、またここから何ができるかということを考えてほしい」と呼び掛け、「“被災地を忘れない”ということが、一番の支援になるのでは」と付け加えた。

「〝忘れない〟ということが、一番の支援に繋がる」と語るAKさん(photo: Takeuchi)


会場内では、復興支援グッズの販売も(photo: Tome)

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