東日本大震災から2年を迎えるにあたり10日、マンハッタン区内の教会で追悼式典「TOGETHER FOR 3.11」が行われた。会場には在ニューヨークの邦人を中心に約520人が集い、犠牲者に鎮魂の祈りを捧げたほか、被災者に声援を送った。
廣木重之日本総領事は「未曾有の惨事を受け、多くの人々が傷つき悲しんだ」と述べ、「より安全で耐震性のある社会の実現が急務である」と独自の見解を披露した。
またニューヨーク宮城県人会会長の佐々木健二郎さんは、震災発生から4度帰省している旨を明かし、「帰るたびに一部地域の目覚ましい復興ぶりに驚かされるが、沿岸部は今なお荒れ果てた状態が続いている」と指摘、「地域間で起こっている格差の広がりを食い止めなければいけない」と訴えた。
式典には、米中枢同時テロで義弟を亡くしたグロリア・ウィリアムズさんも参列。ウィリアムズさんは「人は大きなものの前では無力だが、小さなことから積み重ねていくことが大切。その努力を惜しまなければ、多くの人々の悲しみを癒すことができるでしょう」というベトナムの平和活動家、チャン・コンさんの詩を読み上げ、「大切な人を失った痛みはよく分かる」と語り、遺族を気遣った。
また福島県相馬市にある「みなと保育園」の園児によるビデオメッセージも上映され、園児たちが元気いっぱい「負けないで」「一緒にがんばろう」というメッセージを込めた歌を歌うシーンが流れると、涙を流す参列者の姿も見受けられた。
同式典を主宰するシンガーソングライターのAK(Akemi Kakihara)さんは、「もう一度、ニューヨークのみなさんにも震災について、またここから何ができるかということを考えてほしい」と呼び掛け、「“被災地を忘れない”ということが、一番の支援になるのでは」と付け加えた。
RELATED POST
RECOMMENDED
-
世界最強パスポートはどの国? 日本2位、アメリカは9位に
-
今年はNYで4つの美術館がリニューアルオープン!ニューヨーク・タイムズの「訪れるべき場所」にも
-
「2025年に訪れるべき52の場所」ニューヨーク・タイムズが富山県を選出 隈研吾のガラス美術館にも注目
-
NYで5つの「メイシーズ」が閉店 対象店舗は? ミニマーケットの出店も計画中か
-
津山恵子のニューヨーク・リポートVol.47 中居氏の謝罪、アメリカではあり得ない ジャニーズ問題を繰り返し人権蹂躙
-
異色ユーチューバー、ラオスでの児童買春を投稿、卑劣さが物議…海外での犯罪も罪成立
-
NY、NJ州境で大規模山火事 マンハッタンの「3分の1相当」が延焼か
-
ビリー・ジョエルとロッド・スチュアート 一夜限りの豪華すぎる共演、17日からチケット発売
-
今年は3店舗しかない! NYのデパート「冬季ウインドウ」まとめ 話題のWickedコラボも
-
ロス山火事、安否不明「多数」