射殺された黒人少年の追悼集会で暴動 46人逮捕、警察の過剰鎮圧も問題に

 ブルックリン区で11日夜、警官によって射殺された黒人少年を追悼するために集まった群衆の一部が暴徒に急変し、警官にレンガや瓶などを投げつけたため、警察が鎮圧を試み、46人の逮捕者が出る事態となった。

 同区東フラットブッシュ地区で行われた追悼式は、9日夜にニューヨーク市警察庁(NYPD)の警官によって射殺されたキマニ・グレイさん(16歳)のためのもの。NYPDによると、グレイさんは2人の私服警官と衝突した際に拳銃を向けたため、射殺された。
 だが、グレイさんの親族らは警察側の供述に疑問を抱いており、検死を敢行。その結果、グレイさんは7発の銃弾を浴びていたことが判明、うち3発は背中への銃撃だったとして、無抵抗な若者に無秩序に銃を乱射したとして、警察への抗議デモが暴動へと発展した。

 グレイさんの親戚と名乗る女性はメディアに対し、「キマニ(グレイさん)は友人の銃を保持していることを警察に伝えるため銃を取り出した際に、射殺された」と話しており、デモに参加した別の少年も「殺される必要はなかった」と、警察の乱射に憤りをあらわにした。

 追悼集会には、昨年ブロンクス区で武装していなかったにも関わらず警官に射殺された少年の父親であるフランク・グラハムさんも参加。「このような惨事が相次いで発生している。我々も怒りを表現する権利がある」と話した。

 同地での抗議デモと暴動は、11日から3日間続いている。元々は警察に対する抗議だったが、暴動はエスカレートしており、暴徒が「警察の行為はKKK(白人至上主義団体)と同じ」などと叫びながら、周辺の小売店を荒らす行為を繰り返すなど、事態は悪化の一途をたどっている。