ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は18日、デリなどでのたばこの陳列販売を禁止する新条例を提案した。子どもの目にたばこを触れさせないことで、「喫煙による危害から子どもを守る」ためだという。
同条例では、たばこを取り扱う店舗に対し、商品を必ず扉付きの棚、引き出し、レジカウンターの下、カーテンの後ろなどに収納することを義務付ける。なお、たばこ製品の関連広告や値段の表示は許される。
新条例案は、18歳以下の若年層の喫煙を防ぐために出されたもの。同市保健局(DOH)の調査によると、若者がたばこ商品を頻繁に目にすると喫煙につながるリスクが2.5倍高くなるという。2011年の調査では、ニューヨーク市の公立高校に通う2万8000人の学生が、高校時代に初めて喫煙したと回答。うち1万9000人が常習喫煙者であることが判明している。
ブルームバーグ市長はさらに、たばこの不正販売や密輸の取り締まりを強化する目的で、たばこや葉巻1箱の最低価格を10.50ドルに制定するという案も提起。これにより安価なたばこが若年層に出回ることを防ぐ。
このようなたばこ規制を実施するのは全米初となるが、同様の条例はアイスランドでは2001年に、カナダでは05年に導入されており、若年層の喫煙率の低下につながっている。
ニューヨーク州のたばこの価格は全米で最も高い。