米ハーバード大学では昨年5月、100人以上の学生が試験で不正行為を働き、約70人が停学処分となる事態が発生したが、このたび、同大学がこのスキャンダルに関する機密情報をメディアに漏えいした人物を特定する目的で、秘密裏に電子メールの調査を行っていたことが判明し、批判を浴びている。米紙ボ ストン・グローブが報じた。
同大学は11日、学生新聞に誰が カンニング不祥事に関する情報を含む電子メールを転送したかを調べ るため、学生の不正行為を調査する運営理事会のメンバーとなっている複数の学部長の電子メールを秘密裏に調査したことに関し、声明の中で謝罪した。
声明を出した同大学のマイケル・D・スミス学部長とエベリン・M・ハモンズ学部長は、同調査では学生の個人情報漏えいの可能性を懸念し、件名のみ調べたと強調している。
調査の結果、容疑のかかった運営理事会のある学部長が2人の学生に対し、機密内容を含む電子メールを転送したことが発覚したが、故意にではなく不注意によるものであったことが明らかとなった。
この事態を受け、元学部長のハリー・ルイス氏(コンピューター科学)は自身のブログで、このような調査は「個人のプライバシーを侵害する 不名誉な行為」と述べ、私的内容を含む電子メールを違うアカウントに全て移し、今後、大学の電子メールアカウントはビジネス用途のみて活用するよう徹底すると述べた。