保険金を騙し取る目的で自らの死を偽装したニューヨーク州在住の男にこのほど、有罪判決が下った—。
昨年7月、マサピーカ在住のレイモンド・ロス被告(48歳)がジョーンズビーチに海水浴に行ったまま戻らず行方不明になったとして、22歳の息子がナッソー郡警察に通報したため、大規模な捜索が行われていた。
ところが捜索開始から数日後、サウスカロライナ州で車を運転していたロス被告がスピード違反をきっかけに身元を確認され、行方不明騒動が自作自演であったことが発覚した。
一連の犯行が明るみになる前日には、妻のエヴァンナさんが、自作自演の計画を練るために被告が息子と交わしていたメールを発見し、警察に知らせていた。
被告は妻と息子に41万ドル以上に上る自らの生命保険金を受け取らせ、自身はフロリダで新たな人生を始めることを計画していたという。
ロス被告は事件のあった7月初旬に、仕事を解雇されており、自作自演についても概ね容疑を認めている。
懲役3カ月執行猶予5年の有罪判決を受けたほか、捜索にかかった費用総額約3万8000ドルを米沿岸警備隊とナッソー郡警察に支払うことが義務付けられた。弁護人によれば被告は現在、双極性障害の治療中だという。また、偽装を共謀した罪に問われている息子については「父親から加担を強要された」と主張しており、被告もそれを認めている。