野村萬斎さん「三番叟」を舞う グッゲンハイムに杉本流舞台

Enid Alvarez © 2013 Solomon R. Guggenheim Foundation


 能楽「三番叟:野村萬斎×杉本博司」が3月28日、29日の両日、マンハッタン区のグッゲンハイム美術館で上演された。古典芸能に留まらず、縦横無尽に活動の場を広げている狂言師の野村萬斎さんと世界的美術作家である杉本博司さんの異色のコラボレーションが、ニューヨークを代表する同美術館を舞台に実現した。

 真っ白な広い吹き抜けスペースには、自らの写真作品シリーズ「放電場」から発想を得たという背景幕を飾った杉本さん設計の舞台。鼓の乾いた音が響き渡る中、同氏デザインの衣装を身にまとい象徴的な渦巻き状の回廊を静々と降りて来た野村さんが派手な跳躍、キレのある所作、迫力のある声で五穀豊穣を祈る古典「三番叟」を舞い、その迫力に会場は水を打ったように静まり返った。

 同公演はジャパン・ソサエティーの今春の目玉「野村萬斎シリーズ」の第二弾として同美術館との共催で実現、米国では初演となった。

 第一弾は野村さんの構成、演出、主演による「マクベス」が23日、24日にジャパン・ソサエティーで上演された。