ロングアイランド警察は10日、末期がんを装い、家族や一般人から得た10万ドル以上の寄付金をヘロインの購入資金に充てていたとして、メドフォード在住の無職、ブリタニー・オザロウスキ容疑者(21歳)を詐欺罪などの容疑で逮捕した。
調べによると、容疑者はサフォーク郡およびナッソー郡のスーパーマーケットや個人経営のデリなどに募金箱を設置し、多くの市民から金を騙し取っていた疑い。
オザロウスキ容疑者は寄付金を募るため専用のウェブサイトとペイパルの口座も開設し、「がんは全身に転移しており、生き延びるためにはみなさんの助けが必要」などと訴えていた。
容疑者の祖母は孫の治療費を工面するため自宅を10万ドルで売り払い、その売上金をすべて与えていたほか、父親も生活費を削って捻出した2万5000ドルを娘に手渡していた。また、がんで息子を亡くしたというある男性はチャリティイベントを開催し、数千ドルを容疑者のために集めていたことが判明している。
これまでオザロウスキ容疑者を支援してきた個人や団体が、容疑者に病院への送迎を申し出た際に拒否されたり、長らく抗がん剤治療を受けているにも関わらず、髪の毛がまったく抜け落ちていないことから疾患を不審に思い警察に相談したところ、がんの疾患や治療に関する情報がすべて虚偽だったことが明らかとなった。